# レスポンスを直接返す **FastAPI** の *path operation* では、通常は任意のデータを返すことができます: 例えば、 `dict`、`list`、Pydanticモデル、データベースモデルなどです。 デフォルトでは、**FastAPI** は [JSON互換エンコーダ](../tutorial/encoder.md){.internal-link target=_blank} で説明されている `jsonable_encoder` により、返す値を自動的にJSONに変換します。 このとき背後では、JSON互換なデータ (例えば`dict`) を、クライアントへ送信されるレスポンスとして利用される `JSONResponse` の中に含めます。 しかし、*path operation* から `JSONResponse` を直接返すこともできます。 これは例えば、カスタムヘッダーやcookieを返すときに便利です。 ## `Response` を返す 実際は、`Response` やそのサブクラスを返すことができます。 !!! tip "豆知識" `JSONResponse` それ自体は、 `Response` のサブクラスです。 `Response` を返した場合は、**FastAPI** は直接それを返します。 それは、Pydanticモデルのデータ変換や、コンテンツを任意の型に変換したりなどはしません。 これは多くの柔軟性を提供します。任意のデータ型を返したり、任意のデータ宣言やバリデーションをオーバーライドできます。 ## `jsonable_encoder` を `Response` の中で使う **FastAPI** はあなたが返す `Response` に対して何も変更を加えないので、コンテンツが準備できていることを保証しなければなりません。 例えば、Pydanticモデルを `JSONResponse` に含めるには、すべてのデータ型 (`datetime` や `UUID` など) をJSON互換の型に変換された `dict` に変換しなければなりません。 このようなケースでは、レスポンスにデータを含める前に `jsonable_encoder` を使ってデータを変換できます。 ```Python hl_lines="6-7 21-22" {!../../../docs_src/response_directly/tutorial001.py!} ``` !!! note "技術詳細" また、`from starlette.responses import JSONResponse` も利用できます。 **FastAPI** は開発者の利便性のために `fastapi.responses` という `starlette.responses` と同じものを提供しています。しかし、利用可能なレスポンスのほとんどはStarletteから直接提供されます。 ## カスタム `Response` を返す 上記の例では必要な部分を全て示していますが、あまり便利ではありません。`item` を直接返すことができるし、**FastAPI** はそれを `dict` に変換して `JSONResponse` に含めてくれるなど。すべて、デフォルトの動作です。 では、これを使ってカスタムレスポンスをどう返すか見てみましょう。 XMLレスポンスを返したいとしましょう。 XMLを文字列にし、`Response` に含め、それを返します。 ```Python hl_lines="1 18" {!../../../docs_src/response_directly/tutorial002.py!} ``` ## 備考 `Response` を直接返す場合、バリデーションや、変換 (シリアライズ) や、自動ドキュメントは行われません。 しかし、[Additional Responses in OpenAPI](additional-responses.md){.internal-link target=_blank}に記載されたようにドキュメントを書くこともできます。 後のセクションで、カスタム `Response` を使用・宣言しながら、自動的なデータ変換やドキュメンテーションを行う方法を説明します。